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2018年 12月 26日 【連載企画!!】早稲田大学物語 第9話
高校2年生の元旦、ぼくは友人と二人で東進で勉強していました。確か校舎にいたのは僕らだけだった気がします。勉強が全くできなかった僕は、誰よりも勉強するようになっていました。
その調子で、勉強をし続け、気づけば高校3年生になろうとしていました。
勉強をがむしゃらに頑張っていた僕ですが、当時の僕はある重大な壁にぶち当たっていました。
成績が伸びない。
やるべきことをやっていて、なおかつ誰よりも量をやっているにもかかわらず、全く成績が伸びないのです。
模試を受けても受けてもE判定。ここからだ、ここからだ。そう言って心を奮い立たせていましたが、時折、僕は本当に正しいんだろうかと不安に襲われました。
そんな苦悩をお供に、僕は高校3年生になりました。
高校3年生
春は高校2年生後半と特に変わることはありませんでした。なんせ、もう高校2年生の頃から受験生より勉強していましたから。
ただ、唯一変わったことは模試を受ける数が増えたことです。
大手予備校では同時期にセンターレベルの模試や記述の模試を実施するので、土日は模試を受けることが多くなりました。
そんななか、K合のセンター模試でなんと早稲田大学教育学部でC判定を取ったのです。意外でした。なぜなら国語以外そこまで点数が高くなかったからです。とはいえ初めてE以外のアルファベットがあったのでちょっと嬉しかったのを覚えてます。
上々の滑りた出しを見せたかのようでしたが、残念なことにこれはまぐれでした。
この後の模試は全部E判定。ここからだ、ここからだ。いつものように心を奮い立たせました。
結果の出ない僕にできることは一つだけ、誰よりも勉強し続けること。誰よりも早く校舎に来て、誰よりも遅く校舎で勉強を終えることでした。
必死で勉強していた6月頃、担任助手の人にある誘いを受けました。「夏合宿行かない?」あの地獄の合宿です。正直、行きたくありませんでした。理由は辛いから。僕は「いや、夏は数学やりたいので、英語だけに1週間は使えません。」とそれっぽい理由をつけて断りました。
けれど、心はずっと叫んでました。
「また逃げるのか、中学の、あの時みたいに。」
「冬合宿で満点を取れなかった負け組のまんまだな。何も変わってないじゃないか、あの頃と。ここで逃げたら、お前きっと一生逃げ続けるぞ。お前は結局何も変わってないって思いを抱きながら、受験するんだ。変わるための受験なのに。」
考えて考えて、締め切り当日に、僕は覚悟を決めました。
「先生、僕、やっぱり夏合宿行きます。冬合宿一度も満点取れなかった借りを、返してきます。」
夏休みが始まってすぐ、僕は夏合宿の宿舎に向かうバスの中で英単語のアクセントを叫んでました。
つづく